アメリカ、アマチュアレース事情 (1:イントロ)
アメリカ、アマチュアレース事情 (2:オートクロス)
アメリカ、アマチュアレース事情 (3:ラリークロス)
アメリカ、アマチュアレース事情 (4:ロードラリー)
アメリカ、アマチュアレース事情 (5:トラックデー、タイムトライアル、ロードレーシング)
アメリカ、アマチュアレース事情 (6:ドラッグレース / ワールドスピードレコード)
アメリカ、アマチュアレース事情 (7:コースワーキング)
ラリークロス
3話目はSCCAのラリークロスについて。
一般的にラリークロスというとプロレースのダートとターマック混在コースを5−8台の車がレースするものが有名ですが、SCCAのラリークロスは若干違います。。。というか全然違います。。。一言でいいうなら、オフロード版のオートクロスです。オートクロスと同じで、誰でも(ほぼ)どんな車でも参加できるので、ダートレースをしてみたいけど敷居が高そうだなぁなどと思っている人には最適です。
レースはタイムトライアル方式で、”誰かの裏庭”にコーンでマークされたコースをできるだけ早く走り抜ける、といった感じです。大概30秒から1分ほどのコースで、他のタイムトライアルと違い、その日1日のタイムの合計で勝負します。オフロードなので、車が一台走るたびに轍ができたりぬかるみができたりと、コース自体が刻々と変化するので、走りながらコースを読む必要が出てきます。ジャンプなどは特にないですが、それでも結構車は跳ねますし、アップダウンのあるコースだったりもするので、狙った通りのラインで走らせるのは結構至難の技です。
オートクロスほど一般的ではないので参加するのには遠出が必要になったりします。シンシナティエリアでは、ダウンタウンから北東に向かったGreenfieldで月に一度ほど開催されています。僕の場合自宅から2時間以上かかるのですが他の参加者では3−4時間かけてイベントに来ている人もいるほどです。
参加条件としては運転免許(仮免可)を持っていることと、”壊れてもいい”4輪車、それにヘルメット(貸し出しあり)です。
オフロードレスなので車にかかる負担も多く、壊れます。できれば、Craig’s List などで2000ドルくらいのかろうじて走っているような車を買って参加するのがいいと思います。僕が使用しているのは92年型のMiata(マツダ、ロードスター )で、ほとんどノーマルのままです。所有は僕ですが友人4、5人で交代で乗っています。(壊れた時にはみんなで直すと言う条件で。)”明日通勤に必要な車”などで参加して壊してしまうとちょっと困るので。。。
ラリークロスの雰囲気は一言で言うと”まったり”で、レジストレーションや、開始時間も割とルーズです。
大まかなイベントの流れとしてはこんな感じです:
〜前日まで:
まずは近くで行きたいイベントがあるか探します。Motorsportreg.comやMyAutoEventなど、大手のレジストレーションサイトで探せます。SCCAやのローカル支部のホームページやフェースブックページも確認してみてください。
車の準備をしましょう。必要のないものは車から降ろし、基本的な工具があれば持って行きましょう。ラグナットレンチ、タイヤインフレーター、トルクレンチ、ドライバーなど。。あとペインターズテープは車のナンバーやクラスの表示に役に立つのであれば持って行きます。初めてのイベントで何にも持っていなくても心配しなくても大丈夫です。必要なものはほとんど誰かが貸してくれます(笑)
スタッドレスタイヤがあれば持っていくか、積み込めない場合は冬タイヤでイベントに行きます。ラリータイヤの代わりになります。
天気予報を見て、着ていく服を決めましょう。日焼け、風焼け(?)することが多いので僕は長袖長ズボン、それに帽子とサングラス、日焼け止めなども忘れずに。靴は運転しやすい靴とあればブーツ或いは長靴、二足持っていくといいです(結構泥まみれになります)。雨合羽や、傘、防寒具なども天候によって用意します。
もし、一緒に行ける人がいれば車二台で行きましょう。参加車両が壊れてしまった場合、2台で行けば少なくとも家には帰れるので。
当日
7:00AM:
ゲートが開きます。ゲートでは免責事項の同意書(?)にサインをして、リストバンドを受け取ります。
初めての会場の場合はゲートでどこに車を止めたらいいか(パドック)や、レジストレーションのカウンターの場所を聞いて下さい。
パドックに車を止めたら、レース前のドライバーズミーティングまでにいくつかすることがあります。
- レジストレーション:オンラインでレジストレーションを済ませた人も、チェックインしないといけないのでレジストレーショントレーラーに行きましょう。参加するクラスの確認や、車両番号の確認も忘れずに。オンラインレジストレーションに間に合わなかった人は、イベントによって当日受付ができることもあるので主催者に確認してください。
- 車の準備:ホイールナットの締め付け確認や、タイヤの空気圧の確認(普段より少し高めにします)、車内やトランク内の荷物やしっかりと固定されていないものを車からおろします。また、車両番号やクラスを車側面に表示します。
- インスペクション:TechとかTech Inspectionと言います。準備した車の安全確認です。会場のどこかに、検査場のようなエリアがあるので、そこに車を持っていきましょう。検査員がタイヤの組み付け、バッテリー、などなど、一通り確認して、検査完了のシールを車の窓ガラスに貼ってくれます。
- コースウォーク:イベントごとにコースが変わるので、何度か歩いてコースの下見をします。ただ、車が一台走るごとにコースも少しずつ変わってくるので、思った通りのラインで走れないことの方が多いでしょう。。。
9:00AM:
参加者のレジストレーションが締め切られます。
9:00AM:
車のインスペクションが締め切られます。
9:15AM
ドライバーズミーティング:安全確認や、当時の予定、クラスごとの出走順、アナウンスメントなどが行われます。参加者は全員、必ず参加しなければいけません。また、このミーティングまでに、レジストレーション、インスペクション、コースウォークなどは済ませておきます。
10:00AM
イベントの開始です。もし自分の出走するヒートであれば車をグリッドに、ワーカーヒートであればワークステーションに向かいます。できるだけ他のドライバーの走りを見て、ベストなラインや避けた方がいいエリアなどを見極めます。
ラリークロスでは8−10回同じコースを走ってその合計で競います。(最も遅かった、あるいはミスしてフィニッシュできなかった2本はカウントされません。)轍が深くなりすぎたり、コースがぬかるんで来ると、イベントの途中で小さなコース変更をしたりもするので、アナウンスメントはしっかり聞いておきましょう。
イベントは4時ごろには終わり、コースの片付けなどをした後にトロフィー授与となります。非常にまったりと和気藹々といった感じのイベントなので、時間もだいたいの目安といったところでしょうか。オートクロスよりも車にかかる負担が大きいため、参加者の規模も割と小さく参加車両も結構ボロかったりします。でもあなどるなかれ、速い人は無茶速いです。車も見た目はボロくてもすごくお金かかってたりします。。。
ラリークロスの亜種として、雪上や、氷上でするクラブもあります。僕は参加したことはないのですが、ミシガンでは凍った湖のうえに一周3マイル(5キロ弱)の結構長いコースを作ってレースするのだとか。。。チケットは15分ほどで売り切れてしまうそうです。。。
シンシナティーエリアの方、興味があればちょっと遠いですがGreenfieldでオフロードレース、いかがですか?
CincySCCA Rallycross
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