アメリカ、アマチュアレース事情 (1:イントロ)
アメリカ、アマチュアレース事情 (2:オートクロス)
アメリカ、アマチュアレース事情 (3:ラリークロス)
アメリカ、アマチュアレース事情 (4:ロードラリー)
アメリカ、アマチュアレース事情 (5:トラックデー、タイムトライアル、ロードレーシング)
アメリカ、アマチュアレース事情 (6:ドラッグレース / ワールドスピードレコード)
アメリカ、アマチュアレース事情 (7:コースワーキング)
オートクロス
まずはオートクロスから。
Autocrossは日本やヨーロッパでいうジムカーナのアメリカ版です。ジムカーナについてあまりよく知っているわけでは無いのですが、YouTubeなんかで見る限りオートクロスはもっとオープンなコースで、ハンドブレーキターンやリバースなどの要素がないのが主な違いだと思います。基本的に、大きな駐車場に三角コーンを並べてスタートからゴールまでの時間を競う競技です。他の車と並走したりすることはないので、他の車と接触したりというような危険性は非常に少ないです(もちろん、車競技なので無茶なことをしてコースから飛びたしたとかそういうことをすれば事故にはなりますが。。。)
コースがイベントのたびに変わるので、初めてのコースに適応する能力が重要です。だいたい30秒か1分の短いコースで、早いセクションでも60マイル程度の割と低速なコース設定になっています。
全米いたるところで週末に行われているので、ドラッグレースと並んで割と始めやすいかと思います。
主催団体によって細かいところは違ってきますが大まかな参加条件は以下のような感じです。
- 車の免許(仮免を含む)を持っている、あるいは子供であれば免許なしでゴーカートで参加も可
- 4輪車で転倒の危険性が低い車(ミニバンやトラックはダメなことが多いです)
- ヘルメット(ほとんどのイベントで貸し出ししています)、子供のゴーカートの場合他の安全具が必要になる場合があります
イベントの流れ(例:Cincinnati Region SCCAのイベントの場合)
〜前日まで:
まずは近くで行きたいイベントがあるか探します。Motorsportreg.comやMyAutoEventなど、大手のレジストレーションサイトで探せます。SCCAやNASAなどのローカル支部のホームページやフェースブックページも確認してみてください。
車の準備をしましょう。必要のないものは車から降ろし、基本的な工具があれば持って行きましょう。ラグナットレンチ、タイヤインフレーター、トルクレンチ、ドライバーなど。。あとペインターズテープは車のナンバーやクラスの表示に役に立つのであれば持って行きます。初めてのイベントで何にも持っていなくても心配しなくても大丈夫です。必要なものはほとんど誰かが貸してくれます(笑)
天気予報を見て、着ていく服を決めましょう。日焼け、風焼け(?)することが多いので僕は長袖長ズボン、それに帽子とサングラス、日焼け止めなども忘れずに。靴は運転しやすい靴と歩きやすい靴、二足持っていくといいです。雨合羽や、傘、防寒具なども天候によって用意します。
当日
7:00AM:
ゲートが開きます。ゲートでは免責事項の同意書(?)にサインをして、リストバンドを受け取ります。
初めての会場の場合はゲートでどこに車を止めたらいいか(パドック)や、レジストレーションのカウンターの場所を聞いて下さい。
パドックに車を止めたら、レース前のドライバーズミーティングまでにいくつかすることがあります。
- レジストレーション:オンラインでレジストレーションを済ませた人も、チェックインしないといけないのでレジストレーショントレーラーに行きましょう。参加するクラスの確認や、車両番号の確認も忘れずに。オンラインレジストレーションに間に合わなかった人は、イベントによって当日受付ができることもあるので主催者に確認してください。
- 車の準備:ホイールナットの締め付け確認や、タイヤの空気圧の確認、車内やトランク内の荷物やしっかりと固定されていないものを車からおろします。また、車両番号やクラスを車側面に表示します。
- インスペクション:TechとかTech Inspectionと言います。準備した車の安全確認です。会場のどこかに、検査場のようなエリアがあるので、そこに車を持っていきましょう。検査員がタイヤの組み付け、バッテリー、などなど、一通り確認して、検査完了のシールを車の窓ガラスに貼ってくれます。
- コースウォーク:これ、重要です!オートクロスはイベントのたびにコースが変わるのが特徴です。全国大会のようなイベントだと3回走って一番早かったタイムがカウントさせるので、イベント前のコースウォークでの習熟度は非常に大事になってきます。ローカルイベントでも、4回から多くて8回くらいのイベントがほとんどなので、時間の許す限り何回もコースを歩きます。できればベテランドライバーと一緒にコースを回って説明してもらうのもオススメです。(余談ですが、オートクロスでベテランを探すコツは、でっかい麦わら帽子!日差しの強い駐車場での競技なので、ベテランほど大きな帽子をかぶってます。。笑)また、初心者のためのグループウォークなどもあるのでわからなければ聞いて見ましょう。
8:30AM:
参加者のレジストレーションが締め切られます。
8:45AM:
車のインスペクションが締め切られます。
9:15AM
ドライバーズミーティング:安全確認や、当時の予定、クラスごとの出走順、アナウンスメントなどが行われます。参加者は全員、必ず参加しなければいけません。また、このミーティングまでに、レジストレーション、インスペクション、コースウォークなどは済ませておきます。
10:00AM
いよいよイベントの開始です。オートクロスは出走者がコースワークもするので、Run-Work Orderというものがあります。自分のクラスによって、どのヒートで走るのかコースワークをするのかが違うので、ミーティング中のアナウンスに注意してください。わからないことがあれば、そこらにいる誰でもいいので捕まえて聞いて見ましょう。みんな結構いい人ですよ。
初めてのイベントであれば、第一走は誰かに一緒に乗ってもらいましょう。イベント主催者あるいはでっかい帽子の人に”初めてなんで、誰か一緒に乗ってください”っていえば、上手な人が一緒に乗ってくれると思います。できればすぐ後に、その人の車に乗せてもらいましょう。きっとすごくびっくりすると思います。初めてのオートクロスなら特に。車がどれだけ機敏に動けるのかとか、どれくらいコーンにちかづけるのかなど。。。
大体のイベントは4時か5時ごろまでには皆走り終わり、コースの片付け、トロフィー授与などになります。
オートクロスは誰でも簡単に特別なレースカーなどがなくても参加できるので、高校生から引退したおじいさんまで、いろいろな人が参加します。子供も、5歳児からゴーカートで参加できるので、家族でイベントに来る人も少なくありません。車もモデルや改造の度合いによってクラス分けされているので、小型車から、キャデラックのような大型乗用車、ロードスターのような小型スポーツカーからコルベットやヴァイパー、はたまたランボルギーニまでいろいろな車が出てきます。
シンシナティエリアでは、Cincinnati Region SCCAが主催するイベントがTrader’s Worldで、デイトンエリアではUpper Valley Mall、あるいはKilKare RacewayでWestern Ohio Region SCCAとMiami Valley Sports Car Clubがそれぞれイベントを開催しています。興味はあるけど実際に参加するのはちょっとという方はイベントのある日によってみてください。見学するだけでなくほとんどのドライバーは同乗者大歓迎です:)
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